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「こどもさんびか」研修会と「ひかりひかり」


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先日、目白が丘教会(写真)で行われた「こどもさんびか」の研修会に参加した。
幼いころから慣れ親しんできた「こどもさんびか」は、大人の賛美歌よりもそらで歌える歌が多い。歌詞が簡単、短い、そして忘れられないエピソードがあるからだと思う。

研修会の最初に、「こどもさんびか」の歴史と変遷が語られた。なるほど、と納得したのは、子どもを取り巻く環境の変化が「こどもさんびか」にも影響を与えているという。

たとえば「ひかりひかり」は、「明るく、元気で、正しいこども」が歌われているが、いまどき、明るく、元気で、正しくいられない子どもが増えているため、歌いたくても歌えない状況があるという。それよりも、明るくいられなくても、元気がなくても、正しくいられなくても、あるがままの自分を受け入れてくださる神さまを賛美しよう、という「こどもさんびか」が増えてきたそうだ。たしかに「改訂版こどもさんびか」には、教え諭すような歌詞の歌はほとんどない。
レジュメには「こどもを教え諭すか、こどもに歩み寄るかといった大人中心の捜索感が薄れ、こどもの持つイマジネーションをそのまま生かし、彼らの言葉で信仰的なメッセージを表現しようとする機運が生まれた」とある。「ひかりひかり」は、おさめられていない。
「改訂版こどもさんびか」を使ってみて感じるのは、世界の賛美歌が多いことだ。アジア、アフリカ、南アメリカ、アジア、その他。同じ神さまを賛美する人たちが世界中にいることを知ることができて、自然と目が世界に向けられる。そんな視点は、子どもだけでなく大人にも強く響きかけてくる。

所属している教会のこども礼拝に出席している子どもたちに、昨年末、どの歌が好きか尋ねてみた。
一番人気は、教会のオリジナルページェントの賛美だった。2番目は「ハクナワカイタサイエス」というジンバブエの賛美。3番目は「きみがすきだって」という新しい歌だった。
子どもたちには、光や水のようにどんどん素敵な賛美歌を覚えて、そして、神さまがそばにいることを感じながら成長していってほしいと思う。


しかし、わたしは、2月の賛美に「ひかりひかり」を選んだ。
子どもが本質的に持つ明るさや元気のよさや正しさは、大人がどんなにがんばっても得ることができない強さを持っている。わたしはそんな強さに励まされるし、シンプルに「カッコいいな」と思うのだ。だから、子どもの心で神さまをいっしょに賛美したいと思うから、1年に一度は「ひかりひかり」を選んでしまう。

そしてもう一つ、忘れられないエピソード。2月の最後の週、子ども礼拝で「ひかりひかり」を歌った夜に、5年生の息子に思い出話をした。おそらくわたしが小学校の低学年のころの話。

わたし「3番に♪いーつもーただーしーく・はーげみーましょう~って歌うじゃん」
むすこ「うん」
わたし「あそこを歌う時ね、必ず分級の先生を見ちゃうの」
むすこ「なんで?」
わたし「だって、先生の頭には髪の毛が一本もなかったんだもん」
むすこ「…それは…失礼なんじゃない?」
わたし「だって、『ただしくはげみましょう』だよ。はげをみましょう、だよ」
むすこ「意味がわからなかったの?」
わたし「最初はね。それに、先生はとても正しい人だったの。老人ホームから毎週必ず黒いスーツにネクタイをして黒ぶちの丸い眼鏡をかけて、背筋をしゃんと伸ばしてくるの」
むすこ「そーれーはー…おかあさん!」
わたし「じーっと見て、ああ、先生が今週もまた来てる。よかった。って思うの」
むすこ「どうしよう、おいら。もう『ひかりひかり』歌えないよ。笑っちゃう」
わたし「大丈夫。3月は違う歌だから」
むすこ「よかった~」

歌集から「ひかりひかり」がなくなっても、わたしの中には分級の正しい先生といっしょに、元気なメロディーが刻まれている。そしてこれからもその記憶は、「ひかりひかり」を歌うたびに輝き続けるだろう。
by kakunobue | 2011-03-11 14:37 | こどもさんびか

かくのぶえ フリーライター 日記・エッセイ・詩・イベント情報・こどもメッセージ集。


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