Heaven's Gardenができるまで④

31日、カフェオープンまであと数週間という夏休み。
天草の海水浴で滑ってお尻を打った痛みがひかない。整形外科医院でレントゲンを撮ってみると、尾てい骨亀裂骨折とわかった。階段を昇るのも、床にすわるのも、寝がえりを打つのも痛い。暑さに手伝って痛みのために、眠れない日々が続いた。眠れないと歌の練習に集中できない。体力がもたないのだ。
シェフからは自転車禁止令が出た。
「悪化するにきまってます。痛みが治まるまでは歩いて出勤しなさい」


本当は黙っているつもりだったけれど、結果的に迷惑をかけることになると判断してバンドのメンバーには話しをした。

「手伝うことがあったらやるよ。心配事はない?」
「ある」
「なに?」
「前日に注文していたパンを取りに行く予定だけど、自転車がこげないの。サンドイッチ用の食パンが5山とバゲット5本」
「…ていうか、のぶえちゃん、それ、自転車じゃ持てない量だよ」
「行けるかと思った」
「んー、まあ、気持ちはわかるけどね。車で行くから心配しないで。他には」
「当日のスタッフの食事。おむすびを作りたいんだけど、スイーツと料理の仕込みをするとそこまで手が回せない。菓子パンでもいいかな」
「そんなのやってくるわよ。何人分?」
「たぶん10人前後。大きいのだったら15個あればいい」
「適当にやるから心配しないで」
「うう……」

最初から容量を超えているのだ。やることに。その代わり、有能なスタッフや天使のような人たちがたくさんいる。私がやるのではないというのはこういうことなのかもしれない。

そして前日。
天気予報は最悪の事態に。台風15号が直撃するという。夜バイトの最中、窓の外は稲光と雷鳴と大雨でにぎわっているではないか。

「おつかれー、明日、何時にどこ集合やったっけ?」とヒロくんからメール。この天気にまったくひるんでいない。
「パンのピックアップ無事終了。牛乳も買ったよ。水も箱買いしたからね」とあやちゃん。
「天気すごいから福岡に前泊しようかと思ったけど、明日とりあえず行くね」と熊本のなおちゃんからもメール。
「運転が不安だったら無理しないで」とメールするも「高速さえ封鎖されなかったら行くよ。台風と一緒に上陸だぜ」と返信。なんてすごい人なんだ。
「何があっても絶対に行くから」と大分からもメール。

あー、でも教会の女の子(23歳)はさすがにビビってるだろうな。お友だちも連れてくるって言っていたし。
「不安だろうから、責任とか感じないで、怖かったら来なくていいよ。天気が変わって気が向いたらおいで」とメール。
「んー、でも友だちがのりのりなんでー、行きます~」とレス。
やれやれ。どれだけのつわものぞろいなんだ。

明日やることに誰も疑いを持ってないみたい、とジャックに言うと「神を信じているからだよ」とひとこと。

信じようよ、自分。祈れ、自分。
「台風はそれるか消えるかしてください。雨は小降りにしてください」
祈って眠ると、午前3時に台風は温帯低気圧に変わり、天気予報は雨から雨のち曇りに変わっていた。

神さま、すげーです。ハレルヤです。

(つづく)
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by kakunobue | 2013-09-03 17:46 | 日記 | Comments(0)

かくのぶえ フリーライター 日記・エッセイ・詩・イベント情報・こどもメッセージ集。


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