「マリアより生まれたもう」

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12月24日は、福岡有田バプテスト教会のイブ礼拝・キャンドルサービスに出席した。
昨年は風邪をひいて寝込んでしまい、出席できず、自宅の炬燵にキャンドルを一本だけともしてひとりで賛美歌を歌って過ごした。ひとりきりのキャンドルサービスも、悪くなかった。イエスさまとふたりきりになって、静かに話ができた気がした。

今年は、12月のアドベントに入ってから聖歌隊の指導をしてきた。
教会の聖歌隊のメンバーは奥ゆかしいのか控えめなのか、「簡単にできる曲」とか「ぱぱっと練習できる曲」など希望する人があり、指導者としては大変悩ましい。

私の方針としては、「最愛の主への捧げものとして、最高の賛美を」という聖歌隊の指導理念をひそかに持っている。だから、簡単にとか、ぱぱっとかはできないのだ。
しかしそんなことを言おうものなら「じゃあ、やらん」などと言われかねないので、「そうですねえ。時間もないことですからねえ」とは言う。一応、言う。
でも心根では、「それじゃあ、いかんやろ。しっかりやらないなら歌えないわよ。なにしろ私のいちばん大切なイエスさまのご降誕なのですから」と指を鳴らしている。心の中でですよ。あくまでも。

練習が始まってしばらくは、まだまだ何やら言っているのだが、指揮を振りだしたらこちらのものです。
「そこ、ユニゾン!はもらない!」
「みつかいはみまもりーでしょ?幼子がにらまれてるじゃない、それじゃ。みまもってよ。みつかいですよ、あなたがたは」
「ソプラノの音もとってくださーい」「今は低音部の音取りって言いましたよねー。聞いてた?」

この指導を聞いていた人が「こわ。厳しい練習やねえ」と漏らしていたという。

しかし、私たちには黄金も没薬も乳香もないのですから、神さまから頂いている賜物をピカピカに磨き上げてお捧げするしかないのですよ。
簡単にとか、ぱぱっと、とかじゃなくて、丁寧に感謝と祈りを込めて精いっぱいのものを捧げたい。
いい時も悪い時も、こちらが忘れていても、見捨てることなく、いつもどこにでもともにいてくださる方に。

キャンドルサービスでは消灯されロウソクの光だけで歌うので、リハーサルは暗い中で行われた。
ピアノから指揮者が見えるか、聖歌隊は楽譜が見えるか、歌だけでなく環境のチェックに時間がかかった。
そして本番。
私がいちばん気にしていたのは、この歌詞の部分。

「十字架負い 死にたもう」
「われらみな すくわる」

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イエスが生まれたのは、十字架に死ぬため。
そして、そのことによって人々が救われるため。

この部分はユニゾンで歌う。この曲のメッセージであり、歌う者、ひとりひとりの信仰の告白である。
この人たちは十字架のイエスに会った、そして、救われた。

私たちはどんなときに救いを感じるだろうか、どんなときに十字架のイエスに会うだろうか。
メンバーには、歌詞をかみしめながら、そんなことに思いをはせてもらいたいと願った。

暗闇の中で歌う彼らの顔は、神さまに向かうにふさわしい表情だった。
簡単でなく、ぱぱっとでなく、一生懸命捧げものを磨き上げてきた顔だった。美しかった。
私はこの瞬間が好きだ。この人の中に今、神さまがいる。それがわかるからだ。

礼拝が終わると、素敵なコメントをいただいた。
「今年の聖歌隊よかったよー。あとワンコーラス聞いたら、泣いてたと思う。やばかった」
「だいぶレベルアップしてから、びっくりしたたい」
「指導者が厳しかったけんやろう」(来年はぜひご一緒に(笑))

メンバーのひとりがやってきた。

「今年はね、いい賛美ができました。あなたがね、慌てないでいいからと言ってくださったでしょ。だからね、落ち着いて歌えたわ。あなたがね、いつも神さまにゆだねている姿を見ているから、安心して歌えたわ」
彼女は80歳を越えたお姉さま。

「ゆだねるしか私にはできませんから。ゆだねていなかったら、なんもできませんから」
「それがわかるからうれしいのよ。いっしょに歌えてよかったわ。ありがとう」

こちらこそありがとうございました。また来年もごいっしょしましょうね。
おひとりおひとりに、神さまの祝福が豊かにありますように。
捧げものをしたことで心があたためられ、また豊かな信仰の日々を歩み出していくことができますように。


写真は、昨夜22時からのミサに出席するために訪れた、カトリック教会の幼稚園にあったナティビティ。園児のひとりが、「イエスさまが寒そうでかわいそう」と言い、飼い葉おけに敷布団と掛け布団がささげられたそうです。私の心もあたたまりました。感謝。
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by kakunobue | 2013-12-25 12:45 | 暮らしと讃美歌 | Comments(0)

かくのぶえ フリーライター 日記・エッセイ・詩・イベント情報・こどもメッセージ集。


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