もう何度観たかわからないスイス映画『マルタの優しい刺繍』。
皆さんはご存じですか?
夫に先立たれたあと、9ヶ月もの間、立ち直れずに喪に服す80歳のマルタと3人の友だちの、それぞれの物語です。
マルタおばあちゃんは、若いころの夢だった手作り手刺繍のランジェリーショップをオープンさせるため、50年前の勘を取り戻して、美しいデザインと地元の伝統的な刺繍をあしらったランジェリー製作に励み、全面的に応援してくれる友人の支えによって店をオープンさせます。
ランジェリーだけに、村の教会の牧師をしている息子を始め、多くの人に笑われたり嫌がらせを受けたり、頭がおかしくなったと思われたりして、何度も道が閉ざされますがめげません。
反対していた友人のひとりは、病気の夫と自分の生活を護るため、80歳を過ぎて車の免許をとります。
老人ホームに入っている友人は、ホームのインターネット講座に参加してランジェリーのネット販売に協力することに。
店は、村の反対派によって何度も荒らされたり、商品を捨てられたり、徒党を組んで店に行かないようにする動きがありますが、ネットに注文が入り始め、あっという間に大忙し。
「たいへん、注文分を作って、すぐに在庫も作らなくちゃ」
刺繍は、友人のコネを使ってホームの刺繍クラスの協力をあおぎ、受注はインターネット講座にゆだね、発送は免許をとったばかりの友人が荷物を車に積んでくれることになります。
シワだらけの顔に埋もれて輝きを失っていたマルタの瞳に、光が宿り、やわらかくあざやかな洋服に身をつつんだ姿は、生き生きと生きるよろこびに満ちています。
これから小物の製作にはいるので、マルタおばあちゃんの美しいもの作りへの想いと、情熱をおすそわけいただきたく、また観ました。
糞だらけの羊毛を洗う人、洗った羊毛のゴミをとる根気のいる作業を支える人、布雑貨の準備をするお針子スタッフ、汗をかきながら羊毛の計量をする人、ラッピング材や消ゴム判子でスタンプを作る人などなど。
ひとりではとても無理、もうできないと思うとき、ヘヴンズガーデンには、まるで自分の場所のように当たり前のように来て、力を貸してくれる人が現れました。
わたしには天使のような存在です。
今週も、募集を見て数名の方がお手伝いに手をあげてくださいました。
なかには初対面の方も。
本当にありがとうございます。
美しい、愛らしいと思うものを迷わず作ることができますように。
手にしてくださる方が幸せな気持ちになれる作品が作れますように。
支えてくださる皆さんの、優しいお心を無駄にすることなく、その想いをいっしょにお届けできますように。
1週間の始まりに、マルタおばあちゃんの瞳の輝きに想いを寄せながら、心を新たにする朝です。